住むための新築マンション購入ならともかく、物件を購入し他人に賃貸して利回りを狙うマンション投資について、「いつならベストなのか」といった具体的な時期を示すのは難しい。マンション投資は利回りがすべてだからだ。安く購入して高い家賃で貸せれば、利回りは高くなる。結局、個々の物件の条件を見計らって、瞬時に投資の判断をするしかないのだ。

まず投資にあたって考えるべきは、「皆が買える時期や、皆が買える物件は高くなる」ということである。いまでも住宅ローン金利は史上最低水準にあり、銀行も熾烈な貸し出し競争を展開している。その結果、需要が増えれば、物件相場は高くなり、それに伴って利回りは低下する。そう考えると総論ベースでは、安易な投資は手控える時期といえそうだ。

とくに物件選びでは、皆が買いたがる新築ファミリー向けマンションは避けたい。デベロッパーの利益が乗っていて、購入した瞬間に実質的な物件の価値が下がり、利回りも低下してしまうからだ。

しかし、どの時期においても「裏道」はある。マンション投資で狙うべきは、人気がなく、銀行もお金を貸そうとしない大都市の周辺の中古のワンルームマンションであろう。それに加えて「マンション投資家が嫌い、借りる人が好む物件」であることが絶対条件だ。

東京を例に挙げるなら、投資家にとって、都心、城南、城西、城北、城東、都下の順に人気が下がっていく。だが、ワンルームを借りる若者は、そうしたエリアのブランド性より利便性を求める傾向が強い。城西、城北は東急東横線、地下鉄メトロ副都心線、西武池袋線の乗り入れで密かに人気が高まっている。しかし、多くの人はそれに気づかず、穴場になっている。