金利比較なら特段の優位性なし

学資保険とは、大学入学などの教育資金のための貯蓄を目的とした積立型の保険である。その一方、子供のケガ・入院などの際には給付金が下りるという、医療保険としての機能も備えている。最近は保険会社ごとにそれぞれ特徴を持った学資保険が開発・販売されている。

学資保険は最終的に学資祝金や満期学資金といった形で給付金を受け取るが、その額は契約時に決められる。つまり定額型の保険である。物価変動の影響を受けないため、払込期間が全体としてデフレだった場合には有利になるが、インフレの場合には給付金の価値が目減りしてしまう。これまで日本ではデフレが続いていたが、現在は日銀が2%のインフレ目標を掲げている。もしそれが実現したとすると、いま学資保険を契約するのは不利ということになる。

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返戻率が高い、特徴のある学資保険

学資保険の選択にあたっては、支払い保険料に対する給付金の割合を示す「返戻率」がポイントとなる。返戻率の高い商品ほど、保険機能より貯蓄商品としての割合が高い。本年4月に保険会社各社が予定利率の見直しを行い、それまで学資保険の返戻率から見て上位にあったアフラックなど外資系保険会社の商品の順位が下がり、日本生命の「ニッセイ学資保険」や富国生命の「学資保険みらいのつばさ ジャンプ型」などが返戻率110%を超え、現時点で有利な貯蓄商品となった。

ただ、返戻率の低い商品の多くはその分、医療保険や傷害保険の機能を強化しており、単純に返戻率だけで比較はできない。

加入年齢によっても返戻率には差が出る。学資保険の払込期間は子供が生まれてから大学進学までに相当する18年間がもっとも多いが、15年、10年という商品もあり、保障が同じであれば、加入期間が短いほうが返戻率が高くなる傾向がある。その他、先に兄弟が加入していると保険料が割引になる「兄弟割引」のある商品や、加入すると育児相談のホットラインを利用できる商品などもある。