長期投資なら日本より新興国が狙い目

外国株の中でもとりわけ新興国株は、情報が少ないという理由で敬遠する人も多い。しかし、情報が豊富な日本やアメリカの株で損をする人もいるではないか。どこの国に投資するにしても、それ相応のリスクはある。今後も継続して好調な経済が見込めるのは、日本ではなく新興国だ。投資の大前提から言えば、今こそ新興国に投資すべきなのである。

とはいえ、新興国すべてが軒並み好調というわけではない。新興国の景気は2極化が進んでいる。たとえば、数年前まで好調だった中国やインドは、あまり好調とはいえない。これまでと異なり、経済成長率は低下の一途をたどっており、中国では生産年齢人口の増加も期待できなくなってきている。また、今好調な日本やドイツなどに投資するため、海外の投資家たちがこぞって資金を引き揚げたせいで、最近は株価も下落している。

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5年後、インドネシアの成長率は日本の6倍に!

しかし、フィリピン、インドネシア、タイなどを筆頭に、ベトナム以外の東南アジア諸国は、ここ数年軒並み経済が好調だ。さすがに、今年に入ってからの日本ほど目覚ましいものではないが、インドネシアに関しては継続して毎年6%前後の経済成長率を示している。フィリピンも、継続成長という点では同様だ。たとえば、2011年頃のフィリピンの株価(フィリピン総合指数)を見ると、大体3000~4000程度である。しかし、今年になると7500程度にまで上がっている。これは、最悪期の09年頃と比べると、およそ3~4倍にあたる。夢の3倍株がこんなところにあったのだ。

ほかの東南アジア諸国に関しても、タイは11年に起きた大洪水の反動で、景気が急上昇。マレーシアも、5月の選挙で与党が勝ち、政情の不安要素が取り除かれつつある。新興国の中でも、とりわけ東南アジアが有望だということがおわかりいただけたと思う。