有望な新興国を見極める際のポイントの1つは、先述したように経済成長率である。5年、10年のスパンで見て、継続して成長を続けている国がいいだろう。その次に見るべきは、リーマン・ショックのような金融危機の際に、経済にブレがないことである。インドネシアやフィリピンも多少は影響を受けているが、すぐに回復してその年の経済成長率はプラスに転じている。金融危機にも耐えうるスタミナを持つ国は、投資先として非常に手堅いといえる。

また、人口も非常に大切な指標だ。東南アジア諸国の多くは、今後も人口増加が見込まれる。フィリピンに関しては、40年頃まで伸び続けるようだ。人が増えれば、物を買う人も増え、経済は潤う。単純な理屈だが、経済を牽引する人口が増えることを前提に、年々進出する外資の数も増えている。東南アジアからは外れるが、人的資源という点では、トルコも非常に有望な国である。トルコの人口は7364万人(11年)で、平均年齢が20代後半と非常に若い。さらに、アジア圏、ヨーロッパ圏の懸け橋となる土地の利があり、今後も経済の要所として伸びていく可能性が高いだろう。

今でこそ景気のいい日本だが、この先どうなるかはわからない。それは、バブル後の長い不景気を経験した読者諸氏なら、身をもって感じてきたことだろう。そう考えれば、長期の投資は伸び続ける可能性が高い新興国、短期の投資は今絶好調の日本と、切り分けて投資していくのがおすすめだ。株価に連動する投資信託「ETF」なら、運用コストも手頃で仕組みもわかりやすく、初心者にも購入しやすいだろう。これから伸びる新興国株を買っておけば、10年、20年後に予想外の大きな財産となって返ってくるだろう。

(構成=大高志帆)
【関連記事】
「年収1億円」本物リッチのマネー帳、拝見!
1億円の資産を30代で築いた主婦
「手取り800万貯金ゼロ」vs「300万で貯金1千万間近」お財布比べ
サラリーマンが60までに1億つくる法
お金は人間関係よりコントロールしやすい -年収が上がらなくてもお金が増える生き方【1】