鼻づまりが「認知症」を引き起こす理由

鼻が悪ければ嗅覚が落ち、それは認知症の危険因子になります。なぜなら、嗅覚を司る脳の部位は、記憶や感情を司る海馬や扁桃体などと密接に連携しているからです。また、アルツハイマー病で脳に蓄積する異常タンパク質(アミロイドなど)は、嗅覚を処理する脳の領域で早い時期から見つかります。つまり、鼻が悪いとアルツハイマー病になる可能性が高まるのです。

また、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)があると、体内で炎症物質(サイトカイン)が増えます。それが血液を介して脳に届くと、脳神経に炎症が起きて、認知機能が低下する可能性があります。

さらに、鼻が悪いと睡眠時無呼吸症候群や、睡眠の質の低下が危ぶまれます。睡眠不足になれば、脳細胞の活性化が停滞して、やはり認知機能が落ちることになります。鼻が悪いことで認知症になる可能性は、けっして否定できないのです。

鼻炎は「声が出しにくい」「声がかすれる」などの発声障害と、直接的な関係があるわけではありません。けれども、間接的には声に影響を与える可能性があります。

鼻をかんでいる人
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

声帯に悪影響、ポリープにつながる

鼻が詰まると、間違いなく声の「響き」に影響します。頭蓋骨の中で、声が共鳴する空間が塞がれてしまうからです。その結果、声がこもったり、鼻声になったりします。声帯の動きに問題があるわけではないので、厳密には「発声障害」とはいえませんが、声の質が変わることには違いありません。

また、鼻水が喉のほうに流れ落ちる「後鼻漏こうびろう」があると、それが喉の粘膜や声帯を刺激し、慢性的な炎症や咳を誘発します。それが繰り返されると、声帯に負担がかかり、声がかすれることがあります。

さらに、鼻が悪いせいで口呼吸をしていると、喉や声帯の粘膜の潤滑性が失われ、そのせいで声が出しにくくなります。乾燥した声帯は傷つきやすく、軽い炎症を起こします。声帯の炎症が長引いたり繰り返されたりすると、ポリープなどのリスクを高める可能性があります。鼻を健康にして、深刻な病気のリスクを遠ざけましょう。