細木の持つ暴力団差配の強さ

ところが補助参加する者の弁護士は、講談社側の弁護士が兼任することができない。被告と補助参加人は利害を異にするという建て前からである。

私は池袋の小見山繁弁護士、その知り合いの竹之内明弁護士(後に東京弁護士会会長、日本弁護士連合会副会長)の2人にお願いして補助参加の代理人を引き受けてもらった。両弁護士には息子の刺傷事件で山健組・井上邦雄組長らを訴える損害賠償請求訴訟も引き受けてもらっている。

細木側は5人の弁護士を立てていたが、担当の阿部鋼弁護士は9月、補助参加したいという溝口の意向に難色を示した。溝口が加わると、審理の内容を逐一記事化するというのだ。

言っては悪いが、細木側の弁護陣はお粗末で、記事化できるほど内容の濃い証拠を一度として出したことがない。よく言うぜ、と私は思った。

12月にようやく補助参加が裁判官に認められ、私は何度か準備書面や陳述書を出し、細木側を追い詰めていった。

相談を受ける弁護士
写真=iStock.com/takasuu
細木側を追い詰めていった(※写真はイメージです)

と、細木側は2007年6月、私に圧力を掛けた司興業・森健司組長を名古屋の公証人役場に出頭させ、ウソで固めた陳述書を作成、署名捺印して我々の前に提示した。

森組長は証人席に立ちたくない。その替わりに公証人役場で供述したという趣旨らしい。通常は用いられない異例の方法である。法的に効力も認められていない。だが、ともあれ、細木の持つ暴力団差配の強さをまじまじと見せつけられる思いがした。