太陽を浴び、体を動かすことの効果

高齢になると、外出が減り、日光を浴びる機会も少なくなりがち。その結果、ビタミンDが不足してしまいます。さらに、骨折のリスクが高まるため、余計に外に出なくなり、活動量が減ってしまうという悪循環に陥るわけです。

ところが、1日30分歩くだけで、この悪循環を未然に防げます。太陽を浴び、体を動かすことで、血流がよくなり、脳に酸素が行き渡る。気分も自然と明るく開放的になります。

ランニングをする年配の女性
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです

とくに速いスピードで歩く必要はありません。競争する必要もありません。大事なのは、毎日続けること。ただそれだけです。

花を眺め、犬と出会い、太陽を浴びる。そんなささやかな時間が、確実にあなたの前頭葉を刺激し、老化のスピードをゆるやかにしてくれます。

30分のウォーキングは最高のアンチエイジングです。

今日から早速一歩、外へ出てみましょう。そこには、脳を若返らせる「想定外」が待っています。

海外に行かずとも、日帰りや1泊2日の小旅行を

行動系のアウトプットとして、私がとくにおススメしているのが旅行です。といっても、わざわざ海外まで行く必要などありません。

近場の観光地への日帰りや1泊2日の小旅行で十分です。むしろ、近いほうが気軽に行くことができ、回数も重ねられます。

旅行の最大の効果は、まだ見ぬ景色を目の当たりにして「感動すること」にあります。写真や動画では味わえない、その土地の空気、匂い、光の加減。実際に行って初めて、「わあ、すごい」と心が動く。

知らない土地に足を踏み入れると、すべてが想定外です。道に迷うこともあるでしょう。ランチに予定していた店が、休業の場合もあるかもしれません。

逆に、偶然入った店が驚くほどおいしいこともある。こうした予想外の連続が、脳を活性化させるのです。

さらに、旅行中は幸せホルモンのセロトニンの分泌も高まります。自然光を浴び、歩き、景色に感動し、おいしいものを食べる。これらはすべてセロトニンを増やす行動です。

セロトニンは心を安定させ、ストレスを軽減します。旅行後に「なんだか元気になった」と感じるのは、決して気のせいではありません。

90代の母がいる女性に話を聞きました。彼女の母は施設に入所し、要介護度も進み、車イス生活。日中はほとんど口を開かず、表情も乏しかったそうです。ところが、その女性は、思い切って泊まりがけの温泉旅行に連れ出しました。

海が見える露天風呂に入り、旅館の料理を堪能し、窓の外の夕焼けを眺める。

帰ってきた翌日、これまでほとんど話さなかった母が、ぽつぽつと「海がきれいだった」「お刺身がおいしかった」とスタッフに語り始めたのです。スタッフも驚いたといいます。