成績アップに「4コマ漫画」をおすすめする理由
では短くて難しい本とは、具体的に何を読めばいいのか。小中高、どの学生にもおすすめなのが、以下の3ジャンルです。
(1)4コマ漫画
(2)書き出し小説
(3)国語の問題集
それぞれ、説明します。
(1)4コマ漫画
私のイチオシは、短くて難しい読み物の最高峰“4コマ漫画”です。一作品40秒ぐらいで読める短さ。そんな短さでは、何でもかんでも説明できませんから、読者には行間を読む力が求められます。いわゆる起承転結といった論理の流れを感じながら、書かれていない行間を読み解く読解力、そして著者の言葉遊びから語彙力(語彙の深さ)を磨いていけます。
といっても簡単で国語力が育たない4コマ漫画もあるでしょうから、私のおすすめは『かりあげクン』(植田まさし、双葉社)と『OL進化論』(秋月りす、講談社)です。私はこの2冊が大好きで、本が擦り切れるほど何度も読みました。どちらも社会人の話で、学生からすると大人の世界をのぞき見できる感覚で、興味深く読むことができました。
本当に4コマで国語力が育つの……? と不安な方へ。
強調したいのは、日常系4コマは一見軽く読めますが、情報が少ない4コマの中で、「必ず意味が通り、オチまでもっていかなければいけない」という非常に制約の多い表現形式です。「どこで話題が転換し、なぜ最後で笑いが生まれるのか」を無意識に追いかけることになるので、結果的に、効率良く“論理のながれを素早くつかむ”訓練になります。論理的思考力までもが育まれるのです。
論理的思考力は、数学の文章題や理科の実験考察問題を解くのにも必要な力。ぜひ「計算は得意だけれど、文章題から算数にひっかかってしまった」という子供には、ぜひ読んでみてほしいですね。
問題集は解けなくてもいい
(2)書き出し小説
書き出し小説とは、その名の通り「書き出しだけで成立させた極めて短い」小説のこと。書き出ししか書かれないので、そのあとの展開は、読者の想像力にゆだねられます。
例えば「彼女の頬を、マウスカーソルで撫でた」という一遍がありますが、これだけでいろいろな想像が膨らみます。彼女というのは二次元の彼女なのか、何らかの理由で会えない彼女の写真データを主人公がパソコンに保存しているということなのか……など。
極めて短いため、一つひとつの言葉の意味を逃さずつかみながら、行間を読み解かないと、書き出し小説は楽しめません。ぜひ書き出し小説集『挫折を経て、猫は丸くなった』(天久 聖一、新潮社)を手に取ってみてください。
(3)国語の問題集
いきなり退屈な響きを持ってしまいますが、実は国語の問題集は、短くて面白い文章がまとまっていて、読みものとして非常にすぐれています。それに問題という、つまらないものがくっついているだけ(笑)。
そもそも問題集の文章というのは、問題になるぐらいだから、ほどほどの難易度で、読みものとしても楽しいものが多い。まさに“短くて難しい”という条件をクリアしたものになります。ですから問題集は、読みものにとてもおすすめです。
