今年の春闘は安倍政権の賃上げ要請も手伝い、ボーナスの引き上げに関心が集中した。いち早く要請に応じたのがローソン。新浪剛史社長が20代後半から40代の全正社員約3300人を対象に年収を平均3%、金額ベースで15万円をボーナスに上乗せすることを打ち出した。

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自動車の好調さが際立つ年間ボーナスの伸び率

以後、好調の自動車産業を中心に満額回答が相次いで、連合の集計(5月8日)では月数平均は前期比0.21カ月増の4.57カ月。金額は約4万円アップの148万円だった(1650組合)。また経団連が5月30日に発表した今夏ボーナスの第1回集計での平均妥結額は、前年比7.37%増の84万6376円となり、バブル経済末期の1990年の同8.36%増に次ぐ伸びを示した。

しかし、賃上げがボーナスにシフトしたといっても、全体として見れば“金一封”程度の小ぶりな伸びにとどまった。業種別では、円安を背景に輸出が好調な自動車の大幅増に対して、電機・鉄鋼の不振が際立った。とくに自動車は“1人勝ち”といってもよい。

トヨタは昨年より27万円上回る205万円。5年ぶりの200万超えとなった。本田技研労組は自動車のなかでは最も多い月数(5.9カ月)を要求し、最高の217万1000円を獲得。日産も昨年実績を0.2カ月上回る204万1000円だった。

昨年実績は3.3カ月と低迷していたマツダは5カ月を要求。満額とはならなかったが、前期比31%増の154万7000円となった。超低燃費技術スカイアクティブの搭載車の売れ行き好調が大幅な伸びにつながった。自動車の好調は部品メーカーにも恩恵を与え、デンソーも前期比8.47%増の192万円の満額回答だった。