年収3000万円超は控除されず
「来春、消費税が8%になる前に!」。不動産業界はいまが買い時だと猛烈にアピール中です。でも、その消費税増税のタイミングで、国も消費者の負担を減らそうと住宅ローン減税の延長と拡充をするので、焦る必要はありません。
住宅ローン減税制度は、金融機関から返済期間10年以上の住宅ローンを受けて、住宅の新築・取得などをした場合、10年間、各年末の住宅ローン残高の1.0%を所得税額から控除する制度。所得税から直接差し引かれる税額控除なので節税効果は大きいです。
もう少し個別に説明しますと、「一般住宅」の場合、消費税8%がスタートする2014年4月から最大控除額を現行(14年3月まで)の200万円から400万円へ(10年間の合計)、また長期間の使用に耐える「認定長期優良住宅(および低炭素住宅)」の場合、現行300万円から500万円へ(同)と拡充します。所得税だけでなく、住民税から控除されることもあり、その控除上限額がやはり14年4月より、現行の9.75万円から13.65万円へ増えるのも今回の改正点です。
つまり控除額は、物件内容(一般住宅か長期優良住宅か)や購入・契約の時期(14年4月より前か後か)によって最大300万円の差が出る可能性があります。
さて、マイホームという購入価格の大きい買い物だけに、消費税のプラス3%増(そして、15年10月からはプラス5%の消費税10%)はかなりの負担になります。だから、控除額が拡大されたといっても、購入価格や住宅ローン額、借り入れ条件などによっては、全員が得するとは限りません。