外ではできるのに家だとできない

「お友だちや先生と遊ぶ園は楽しい場所であると同時に、お父さんやお母さんと離れて、ムリをしている場合もあります。園でがんばって帰宅したら、ホッとする。お子さんにとって、家も安全な避難所であり、安心の基地で、自由に振る舞える場所なんです」

確かに。それは大人も同じだろう。遠藤先生はこう話を締め括った。

「おうちと外で行動が違っても、そんなに心配する必要はないですよ」

先生の言葉が現実になるのは数日後だった。

遠藤利彦『安心感が子どもの心を育む』(小学館)
遠藤利彦『安心感が子どもの心を育む』(小学館)

その日、私たち家族は電車に乗って、少しだけ遠くの公園に足を延ばした。Kのトイレ問題を考慮して、昼食を食べたらすぐに帰宅するつもりだった。

ハンバーガーを食べ終わり、電車に乗る前にダメ元でKに声をかけた。

「K、トイレ行ったら」
「うん」

Kは母に手を引かれて、あっさりとトイレに消えた。あまりにも自然すぎて拍子抜けした。外出先のトイレに振り回された、この10カ月はなんだったのか。笑いがこみ上げてきた。これが、成長なのか、と。

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