信頼する大人がいるから成長できる
子どもが信頼する大人は、不安や恐怖を覚えた子どもの安全な避難場所の役割を果たす。同時に安全な基地の役割も担うからこそ、子どもは探索行動、いわば冒険や挑戦ができる。
遠藤先生は言う。
「安心感に浸れているお子さんは、『あれがしたい』『これがしたい』という好奇心がどんどん膨らんでいきます。そんなお子さんは、夢中になっていろんなことにチャレンジができる。逆に、不安や恐怖をずっと抱えていたら、新しいことに興味を向けたり、自由に遊んでいる余裕なんてありません」
これは身に覚えがある。私の実家に帰省したときのことだ。
「トット、ちょっとこっちきてよ」とKに呼ばれた。
どうやらふだんは物置にしている部屋に入りたかったらしい。その部屋は薄暗く、ふだんは誰も入らない。1人で入るのが、怖かったのだろう。
つまりKは、不安を抱えながらも、未知の部屋を探検したかった。だから私を呼んだのだろう。そう考えると、Kは、いまの生活に安心感を覚えているのかもしれない。
そう思えたのは、もうひとつのKの成長に関する不安を遠藤先生に相談したからだ。
それもまたトイレの話だ。
子どもの成長は行きつ戻りつ
冒頭で、Kは3歳になった頃にオムツが外れ、トイレでうんちもできるようになったと書いた。ウソではない。けれど、最近は少し様子が変わった。
うんちのとき、わざわざオムツをはく。せっかく便器でできるようになったのに、なぜなのか。不思議だった。保育園では便座で用を足しているからなおさらだ。本人が「オムツがいい」と言っても、トイレでさせるべきなのだろうか。遠藤先生に聞いてみた。
「基本的に子どもの成長は行きつ戻りつです。一本道で育っていくわけではありません。二歩進んだと思ったら、一歩下がるそんな感覚で見守っていけばいいと思います。なかには保育園や幼稚園でできるのに、なぜ、おうちではできないんだと責める親御さんもいるそうです。でも、責める必要はないんです」

