信頼する大人がいるから成長できる

子どもが信頼する大人は、不安や恐怖を覚えた子どもの安全な避難場所の役割を果たす。同時に安全な基地の役割も担うからこそ、子どもは探索行動、いわば冒険や挑戦ができる。

遠藤先生は言う。

「安心感に浸れているお子さんは、『あれがしたい』『これがしたい』という好奇心がどんどん膨らんでいきます。そんなお子さんは、夢中になっていろんなことにチャレンジができる。逆に、不安や恐怖をずっと抱えていたら、新しいことに興味を向けたり、自由に遊んでいる余裕なんてありません」

夕暮れ時のビーチを走る少年
写真=iStock.com/kohei_hara
※写真はイメージです

これは身に覚えがある。私の実家に帰省したときのことだ。

「トット、ちょっとこっちきてよ」とKに呼ばれた。

どうやらふだんは物置にしている部屋に入りたかったらしい。その部屋は薄暗く、ふだんは誰も入らない。1人で入るのが、怖かったのだろう。

つまりKは、不安を抱えながらも、未知の部屋を探検したかった。だから私を呼んだのだろう。そう考えると、Kは、いまの生活に安心感を覚えているのかもしれない。

そう思えたのは、もうひとつのKの成長に関する不安を遠藤先生に相談したからだ。

それもまたトイレの話だ。

子どもの成長は行きつ戻りつ

冒頭で、Kは3歳になった頃にオムツが外れ、トイレでうんちもできるようになったと書いた。ウソではない。けれど、最近は少し様子が変わった。

うんちのとき、わざわざオムツをはく。せっかく便器でできるようになったのに、なぜなのか。不思議だった。保育園では便座で用を足しているからなおさらだ。本人が「オムツがいい」と言っても、トイレでさせるべきなのだろうか。遠藤先生に聞いてみた。

「基本的に子どもの成長は行きつ戻りつです。一本道で育っていくわけではありません。二歩進んだと思ったら、一歩下がるそんな感覚で見守っていけばいいと思います。なかには保育園や幼稚園でできるのに、なぜ、おうちではできないんだと責める親御さんもいるそうです。でも、責める必要はないんです」