内紛の発端となった「沖縄2区」の“自殺点”
6日の記者会見後、退出した大椿氏に話を聞くと、決選投票で公開討論会が一度も開かれなかったことについて「福島さんが逃げたと思っている」と明言した。では、福島氏は何から逃げようとしたのだろうか。その主な一つが、前回の衆院選での沖縄2区を巡る対応についての議論だ。
沖縄2区では、社民党唯一の衆院議員だった新垣邦男氏が離党後、中道改革連合から立候補したのに対し、社民党は対抗馬として元衆院議員の瑞慶覧長敏氏を擁立。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する勢力「オール沖縄」の分裂選となり、新垣氏と瑞慶覧氏はいずれも落選、自民候補が当選する結果となった。
新垣氏と瑞慶覧氏の得票数を単純に足せば自民候補を上回っただけに、福島氏の対応に疑問の声が上がった。大椿氏は瑞慶覧氏の擁立を公然と批判し、服部良一幹事長から「反党行為」と糾弾され、副党首を辞任した経緯がある。それでも大椿氏は自らの主張を変えることなく、福島氏と真っ向から対立することとなった。
沖縄では、社民党の候補者擁立に反発の声が強く、地方議員の離党も相次いだ。社民党は決選投票での各都道府県の投票結果を公表していないが、関係者から入手した資料によると、沖縄県では有効投票数65票のうち大椿氏が44票で、福島氏の21票を2倍以上上回っている。
「このままでは存続できない」
今後は、福島氏が社民党の執行部人事で大椿氏をどう処遇するかが焦点となる。大椿氏は、幹部ポスト就任の打診があった場合、「受けるかどうかは、沖縄2区の問題に関する検証委員会の設置が条件」と述べている。福島氏は、瑞慶覧氏擁立の判断に間違いはなかったとの考えを強調しており、着地点を見つけるのは現状では困難だ。
大椿氏は、より根本的な問題として後継者育成の欠如を挙げる。福島氏が自身の後継者を党内で育ててこなかったとし「次を誰に託すかを考えていない指導者のいる組織は、存続できない」と語った。「社民党の理念は、この社会において必要だ」としながらも、今回の党首選を巡る動きで「ともに頑張ろうという意欲を失った支持者も少なくないのではないか」と指摘。「このままでは存続できない」と言い切った。
4月28、29日には党大会が開かれ、福島氏が党首として正式に就任する。だが、各都道府県の組織には大椿氏を支持するところもあり、沖縄2区問題を含めて、福島氏の対応を批判する意見が噴出する可能性もある。
「社民党リブート(再起動)」を掲げる福島氏が、いかにその言葉に実効性を持たせることができるのか。抱えている課題は、あまりに大きい。


