なぜか大椿氏の発言を拒否

決選投票で、福島氏は2364票を獲得して当選したものの、大椿氏も1792票を獲得。得票率は「57:43」で、決して福島氏が圧勝したとは言えない結果だった。それだけに、福島氏が今後、どうやって党内融和を図っていくかが課題となっていた。

社民党党首選の決選投票で当選し、笑顔を見せる福島瑞穂党首。奥左からラサール石井副党首、大椿裕子元参院議員=2026年4月6日午後、国会
写真=共同通信社
社民党党首選の決選投票で当選し、笑顔を見せる福島瑞穂党首。奥左からラサール石井副党首、大椿裕子元参院議員=2026年4月6日午後、国会

会見で私は「大椿氏への票は、福島氏への批判票と受け止められる。今後、どういった党運営を行っていくのか」と福島氏に質問した。だが、その答えは「党の役員人事については、まだ全く白紙」「党を変えてほしいという声があることは認識している。その声を聞きながら改革に努めたい」などとはぐらかし、抽象的なものに終始した。他社の記者からも同様の質問が相次いだが、自身のこれまでの党運営に対する反省点など、踏み込んだ発言は聞かれなかった。

その後、記者会見は予期せぬ方向で紛糾した。

記者会見の場には大椿氏とラサール石井氏も同席していたが、記者が大椿氏に敗戦の弁を求めたのに対し、司会を務めていた社民党本部職員の男性が「これは新党首の会見なので、党首への質問に限るように」と一蹴。大椿氏が「候補者を平等に扱うべきでは」と抗議すると、司会者は「ちょっと静かにして」と遮った。大椿氏は「ひどい」と声を上げて退席し、記者会見の場は一時騒然となった。

日大アメフト部の会見と同じひどさ

こうした状況の中、福島氏は「今日は私の就任会見なので、私がお答えしたい」と述べるだけで、大椿氏の発言制止を追認する態度を示した。記者からは「自民党の総裁選でも敗者の弁はあり、候補者が手を取り合う場面もある。こういうやり方は良くない」と問題視する声も上がったが、福島氏は反応を示さなかった。

この光景を見ていて頭をよぎったのは、2018年に日本大学アメリカンフットボール部の悪質な反則問題が起きた際、日大側が開いた記者会見の模様だ。そこでも広報部所属の司会者が、質問する記者に対し「やめてください、打ち切りますよ、会見!」「これで会見を打ち切ります」と威圧的な発言を何度も繰り返し、報道陣と対立した。これによって、日大の自浄能力が欠けていることを如実に示すこととなった。

今回の記者会見での対応は、社民党が長年抱えてきた「内向きの論理」と「外向きの発信力の欠如」という問題点が浮き彫りになったと言えるだろう。

福島氏は、4月8日に行われた定例記者会見で、大椿氏らに発言機会を与えなかった対応を「配慮が足りなかった」と陳謝した。その一方で福島氏は「(記者会見の進行は)全て党首選挙実施本部が決めた。私が口を出す話ではない」とも述べ、発言制止に自らは関わっていないことを強調している。しかし、大椿氏は実施本部長が3人で会見するよう福島氏に働きかけていたと反論しており、対立が解消する気配は全くない。