習近平「2027年までに」
ここ数年、アメリカの軍事専門家の間では「2027年までに台湾侵攻の準備が整う」という見方が有力です。習近平主席が、人民解放軍に「2027年までに台湾侵攻能力を持て」と命じたという情報に基づいています。
といっても、「準備が整う=必ず侵攻する」ではありません。中国にとって台湾侵攻は巨大なリスクをともなうからです。
まず、軍事的に成功する保証がありません。台湾海峡はもっとも狭いところでも幅130キロメートルあり、海を渡っての上陸作戦はきわめて困難です。
軍事の世界には昔から「攻者3倍の法則」という考え方があり、攻める側は守る側の3倍以上の兵力がないと目標を達成できないとされています。
台湾のように守る側が堅固な場合、攻める兵力はもっと必要です。台湾には常備兵力20万人、予備役250万人がいます。そのうち、能力の高い部隊を合わせると最低でも30~40万人になり、これを圧倒するには最低でも100万人の兵力が必要になるのは軍事専門家の常識なのです。
計算上、侵攻は難しい
100万人以上の兵力を海を渡って上陸させるには、3000万トンから5000万トンの輸送船を用意する必要があり、台湾侵攻は130万人以上を投入した第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦の何倍も難しいといわれています。
台湾侵攻に投入される兵力については、船積みの計算式で考える必要があります。兵員や装備品は角砂糖のように隙間なく詰め込むことはできないからです。
無駄な空間を含めた容積トンという考え方をしますが、人間一人を4容積トン、重さ40トンの戦車を90容積トンという風に計算します。
これをもとに100万人の兵力と必要な装備品、それに少なくとも1週間分の燃料、弾薬、食料を運ぼうとすると、3000万~5000万トンの船腹量が必要になります。
しかし、中国の民間輸送船6200万トンは大部分が経済活動に従事しており、成功するかどうかわからない作戦に回すことは難しいという問題もあります。軍艦は兵器のかたまりですから、4万トン級の強襲揚陸艦でも陸戦隊(海兵隊)を1隻あたり1600人しか積めないのです。

