異例だったニュースターの「バッシュ」

昨年12月15日、ダラス・マーベリックスのルーキー、クーパー・フラッグ選手が、18歳にしてNBA史上最年少で40得点超えを達成した。その足元で輝きを放っていたのは、紛れもなく1足のニューバランスだった。

ファスト・カンパニーによると、10代の選手が1試合で40得点・5リバウンド・5アシストを記録した例は、NBAの79年の歴史でわずか3度。レブロン・ジェームズ選手とケビン・デュラント選手に続く快挙だ。この2人は、いずれもナイキを履いていた。選手の約65%がナイキを着用するリーグで、最新例となったフラッグ選手がニューバランスを相棒に選んでいたことは、実に象徴的だ。

NBA以外に目を向ければ、競技も時代も違う選手たちが、同じ理由でニューバランスを選んできた。2012年、MLB三冠王に輝いたミゲル・カブレラ選手のもとには複数のメーカーからオファーが届いた。より高額な条件を提示した企業もあった。それでもカブレラ選手はニューバランスを選んだ。当時、ESPNの取材にこう語っている、「お金の問題ではなかった。ニューバランスは本当によくしてくれた」

ニューバランス 373
写真=iStock.com/LeventKonuk
※写真はイメージです

「金だけ」ならニューバランスを選ばない

ESPNによると、カブレラ選手のナイキとの契約が切れた2011年、ニューバランスは正式契約の書面を準備していた。しかし直後に飲酒運転が報じられ、同社は契約を見送った。過ちを犯した以上、スポンサー契約は結べない。ニューバランスとして、当然の判断だ。

だが、シューズの提供はやめなかった。プロ野球選手にとって、足に合わないスパイクは選手生命に関わる。同じESPNの記事で、同僚のC.J.ウィルソン投手は「粗悪なスパイクのせいで脚に疲労骨折を起こした」と証言している。ナイキ時代のグランダーソン選手がサイズ違いの靴を送りつけられた話とは対照的に、ニューバランスはカブレラ選手の足に合った専用シューズを、無契約のまま2シーズンにわたり作り続けた。

その後、三冠王を獲得したカブレラ選手のもとには、より高額なオファーも他社から届いた。それでもなお、スポンサー契約に復帰したカブレラ選手が最終的に選んだのは、ニューバランスだったという。

いま、大谷選手は全スポーツ史上最高額のスポンサー収入を手にしている。だが選手たちがニューバランスを選んできた理由は、契約書に踊る金額の桁数ではないようだ。

一人ひとりの想いに応え、共に歩むパートナーであること。その姿勢を、大谷選手を含めた各界の名プレーヤーたちは知っている。

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