負債だらけの会社をドル箱にする戦略

ただ、ブルームバーグが関係者に取材したところによると、東芝が上場を維持するための資本増強を目的に、海外ファンドなどから第三者割当増資によって6000億円の資金調達を行った際には、200億円の手数料を得たとされています。

アコーディア・ゴルフというゴルフ場運営会社の裏側にいたのも、ゴールドマン・サックスです。1980年代のバブル期に行われたゴルフ場の乱開発によって、日本のゴルフ場は供給過多に陥っていました。結果、多くのゴルフ場が経営破綻の危機に直面していたのです。

ここに目をつけたのがゴールドマン・サックスでした。経営破綻、もしくは破綻寸前のゴルフ場を買い集め、スケールメリットを活かして、低コストでゴルフ場を運営する計画を打ち出したのです。

ゴールドマン・サックスは、経営難による和議申請をし、事実上の倒産に陥っていた日東興業を2001年11月に買収しました。そして2003年にアコーディア・ゴルフへと社名を変更し、次々にゴルフ場の買収を始めたのです。

事実上の倒産会社を買収して社名を変更し、それを器にして、さらに倒産寸前のゴルフ場を買収する。ダメ会社にダメ会社を積み上げることで、莫大な利益を生み出せるなんてことは、少なくとも当時の日本人には思いもつかなかったでしょう。

日本勢が勝てない投資銀行ビジネスの裏側

でも、それをゴールドマン・サックスはやってのけたのです。アコーディア・ゴルフは買収したゴルフ場の再生に成功し、2006年に株式を上場しました。そして2011年には、保有していたアコーディア・ゴルフの株式を全部売却して、アコーディア・ゴルフとの提携を完全に解消しました。

ここまでの過程で、ゴールドマン・サックスは株式の売却益も含め、莫大な利益を得ているはずです。これらの事例でおわかりいただけると思いますが、米国の投資銀行が行っているビジネスは、日本の銀行や証券会社とは全く異なる性質を持っています。

ゴールドマン・サックスの日本法人が入っている超高級オフィス・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
ゴールドマン・サックスの日本法人が入っている超高級オフィス・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(写真=Fotointheworld/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

では、こうしたビッグ・ディールにどうやってアプローチするのかについては、外資系金融機関から企業にオファーを出すケースもあれば、大規模なM&Aを行いたい企業や敵対的買収の危機に直面している企業が、外資系金融機関に助けを求めるケースもあります。もちろん、日本の金融機関でも、たとえば野村證券、大和証券、そして3メガバンクは投資銀行的な業務を行っているものの、(このような言い方をすると失礼だとは思いますが)あくまでも“的なもの”でしかありません。