長寿に直接の好影響がある

また、インスリンの効きがよくなることは、長寿に直接の好影響があります。

インスリンの量が少ないほど、身体は「栄養が少ない=飢餓状態に近づいている」と判断して、細胞のリサイクルや分解の指示を多く出すようになるためです。

古い細胞や病気の原因になる細胞が分解されるので、身体がリフレッシュする効果があるのです。

ちなみにこうした働きを行っているのが、サーチュインやオートファジーです。

身体の代謝はとても複雑ですが、知れば知るほど興味深いものです。

長寿のための生活習慣の幅を広げるための、ご参考になればと思います。

「がんは遺伝する」の中身

俗に「がんは遺伝する」といいますね。とはいえ、実際に何が遺伝するかはご存じない人も多いのではないでしょうか。

一説には、遺伝するのはアディポネクチン分泌の機能だ、といわれています。

アディポネクチンとは、エネルギーの代謝に広くかかわっているホルモン。脂肪を燃焼させたり、血管を修復、拡張する働きも持っています。

このアディポネクチンとがんの関係は明らかで、血液中のアディポネクチンの濃度が低い人は、がんになるリスクが高いことがわかっています。

またアディポネクチンにはがん細胞を細胞死させる働きがあることもわかってきました。要するに、アディポネクチンは腫瘍の増加を抑えるのです。

遺伝するのがアディポネクチン分泌の機能なら、対処の方法も明らかです。

アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるのですが、肥満の人は逆に分泌が減ってしまいます。であれば、まずはカロリーや糖質を控えて、定期的に運動することが対策になります。

また緑黄色野菜や海藻、大豆などはアディポネクチンの分泌を増やすと言われていますので、日々の食事に取り入れるのがよいでしょう。

「遺伝」という言葉に、むやみに不安がることはありません。中身を知って、生活習慣で対処していきましょう。

屋外でスニーカーの靴ひもを結ぶシニアアスリート
写真=iStock.com/dusanpetkovic
カロリーや糖質を控えて、定期的に運動するといい(※写真はイメージです)