人間には物語をつくる習性がある
陰謀論は、このような相関関係と因果関係を意図的に取り違えることで、あたかも論理的に成り立っているかのように偽装しています。
まったく何も関係のない偶然の出来事を、あたかも必然の出来事であるかのように感じさせる。単なる偶然なのに、それがある企みによって引き起こされていると強引にとらえるのです。
人間には物語をつくる習性があります。愛する人と出会ったのは偶然にすぎないとしても、「これは運命だ」と必然的なものを感じるのはよくあることでしょう。むしろそうやって物語をつくる力が人生を豊かに、意味あるものにしてくれるとも言えます。
私のようにキリスト教に帰依し、宗教を学んだ人間からすると、人間の想像力が不安を解消し、強く生きるための原動力になることに疑いはありません。
陰謀論も根本は同じだとすれば一概に否定できないのかもしれませんが、人間は誰しも不条理な思考に取りつかれる資質があると客観的にとらえ、自分を戒めることも必要です。


