アナウンサーの意識変化
近年、特に増えているのが、アナウンサーに固執しないキャリアプラン。実際、今春に退社が報じられたフジの小澤アナは「自ら何かを創造したい」などとコメントしたように実業家路線が有力視されている。また、昨年6月にフジを退社した岸本理沙アナは当時25歳で「国内外の企業経営に関心を持った」ことを理由にアナウンサーからキャリアチェンジした。
それ以外でも、田中みな実、宇垣美里、森香澄のように女優を含む芸能人を目指したり、ゲーム実況の専門家などに特化したり、取材時などに知り合った企業に就職したり、グローバルな活躍を目指して海外留学したり、難関資格取得の勉強をしたりなど選択肢が多様化。むしろ漠然とフリーアナウンサーになる人は少数派と言っていいかもしれない。
一方、退社を選ばないアナウンサーの中にも「取材現場で学んだものを生かしてキャリアを再構築したい」「他部署でスキルを生かしたい」などと自ら異動を求めるアナウンサーがいる。
20代で“キー局アナ”というポストを自ら手放して退社を選ぶ人が増えたことから、以前より「入社したからにはアナウンサーにこだわりたい」という意識が薄れていることは間違いない。“キー局アナ”も長いキャリアの一部分であり、そこで「得たスキルと知名度を生かして次は何をやるか」を考えることが当然のようになりつつある。
一般企業の社員とほぼ同じ感覚
また、仕事のキャリアだけを切り取らず、プライベートを同等以上に重視して退社を選ぶアナウンサーも多い。
事実、退社を明かしたばかりのフジの竹内アナは「子どもとの時間をもっと大切に過ごしたい」と明かし、勝野アナも今年1月に結婚した女性の生活拠点である京都に移住することを明かした。もともと職業柄、不規則な勤務になりやすいところもあって、配偶者や子どもに合わせようとするアナウンサーが増えている。
この1年間でフジを退社したアナウンサーを見ても、西岡孝洋、椿原慶子、永島優美、藤本万梨乃、前述した小澤陽子、勝野健、竹内友佳と、岸本理沙を除く全員が既婚者。心身・経済の両面で安心を得たことでキャリアプランやワークライフバランスを考えやすくなった様子がうかがえる。
この点における感覚は一般企業の社員とほぼ同じと言っていいだろう。

