意外な「買って住みたい街」の顔ぶれ
次にLIFULL HOME'Sのランキングだ。こちらには「借りて住みたい」「買って住みたい」の2種類がある。「借りて……」は単身者を含むため、ファミリー色強めの「買って住みたい」ランキングの方を紹介しよう。
1位 湯河原
2位 八王子
3位 八街
4位 不動前
5位 田町
上位に意外な顔ぶれが並んだ。買おうとする以上、短期で住み替えるのではなく、その土地に根を下ろすつもりで選ぶ人が多いだろう。その1位が湯河原(神奈川県)とは驚く。住むというより訪れる観光地のイメージが強いのは言わずもがな。そもそも「東京」から100km圏で、所要時間約90分の駅が1位を獲得したことは初めてだという。
2位3位も都心から40~50キロほど離れており、郊外エリアだけでトップスリーを占めるのも同ランキングで初だそうだ。SUUMOが注目するつくば市もそうだが、郊外化への流れは確実といえる。
湯河原がなぜ人気なのか。ご存じのように温泉や海といったリゾート要素があること、物件価格も手ごろなことがあげられる。中古マンションが2000万円以内と手が届きやすい。また通勤時間も新幹線を活用すれば東京駅まで1時間弱だ。東京圏に毎日通勤すると考えれば厳しいが、リモートワークが併用できる環境なら悪くない。
そもそも、「買って住む」と、リタイア後もそこに暮らすことになる。老後の住まいが自然豊かな温泉地にあると思えば、これは魅力的だろう。同じような視点か、スキーリゾートである越後湯沢への問い合わせ数も伸びているという。
どうせ都心から離れた場所に家を買うならば、リタイア後に自分が望む暮らしが叶うような場所を先に探す、というのは人生100年時代にふさわしい思考かもしれない。
都心への距離の近さより、快適に通勤できるかがポイントに
東京都心に通勤する際、時間的な利便性を考えれば職場に近いに越したことはない。とはいえ、都心の物件は高いし狭い。家計にも優しくない。その合理的な解決法として、「距離よりも快適性」という考え方がある。都心から距離はあっても、電車の始発駅であるとか、有料特急が止まる(有料指定席が利用できる)駅で物件を探すというのだ。
LIFULL HOME'Sによると、そうした駅物件への問い合わせは実際に増えているという。
例えば埼玉県の飯能駅。始発が多いだけでなく、全席指定の特急ラビューを使うと池袋まで約50分で到着する。神奈川県の海老名は、小田急電鉄のロマンスカー・モーニングウェイ号で新宿まで約50分となり、千代田線直通の列車を選べば大手町まで乗り換えなしで行ける。
ただし、こうした列車を利用するには、運賃に加えて特急券や座席指定券を買う必要がある。主な私鉄の場合、上乗せになる料金は片道600~650円程度で、往復では1200~1300円。リモートワーク併用で、一週間の出社日が4日間だとした場合、ひと月換算で2万円程度の自己負担となるが、都心に住む住居費と比較すると安く済む場合もあるだろう。

