旧ソビエト連邦諸国では現在も情勢不安が続く地域が少なくない。南オセチアではジョージアからの独立をめぐって紛争が繰り返され、現在は未承認国家となっている。写真家・星野藍さんの新刊『旧ソビエト連邦を歩く』(辰巳出版)より、その様子をお届けしよう――。

ソ連のリゾート地だったジョージア

過去を見つめる事は決して未来を閉ざす事ではない、それはもう一度今を生きる意味を見つめ直す事なのだ。旧ソ連各地で見られるソビエト時代のモザイクはそんな過去に向き合う時空旅行の機会を必然的に与えるものかもしれない。

かつて見たであろうその先にあると信じられていた明るい未来。どの国のモザイクも甲乙付け難くはあるが、ジョージアのモザイクは特に美しく、対峙すると目の前に描かれる色とりどりの別世界にしばし足を止め見入ってしまう。プロパガンダだけではなく宗教や民族性、地域性を強く反映されたものも多い。

ジョージアはここ数年で一気に知名度が上がり日本人の間でも特に食の面で話題になる事が何かと多い国となった。

外国人旅行者の姿も多く見られるツカルトゥボは今でこそ廃れているがソ連時代には年間10万人以上が訪れる一大リゾート地で、モスクワから毎日直通列車があったほどだ。多くの絢爛豪華なホテルやサナトリウムは廃墟と化し、そこにアブハジア紛争で難民になった人々が30年以上経った今でも住み着いている。