還元される「ポイント」を負担しているのは誰?
ところで、キャッシュレス決済を利用して得られるポイントは、いったいどこからやってくるのでしょうか。
これは、店舗がカード会社に支払う手数料などが原資となっています。店舗としてはキャッシュレスで支払う人と現金で支払う人の割合や、支払うことになる決済システムの手数料を加味して、商品・サービスの価格を決める部分もあるでしょう。つまり現金で支払っている人は、キャッシュレス決済で支払っている人の手数料や還元されるポイントなどの分も按分して負担しているという側面があります。
まず、店舗が支払う手数料は、帳簿管理などの手間が省けたり、その決済手段を導入することでお客さんの人数が増えたりするのか、によって価値が変わります。決済システムを構築・維持することにも人は動き、コストはかかります。システムを利用するための費用と、利用することによる効果で、その意義を捉えることになりそうです。
もし、按分で間接的に決済手数料を支払っていた現金派の顧客もキャッシュレス決済で支払うようになり、全員の販売に決済手数料がかかるようになった場合、店舗としては、商品やサービスの値段を上げることになるかもしれません。つまり、みんながキャッシュレス派になると商品やサービスの値段が上がる可能性があるということです。
手数料を払う側から「恩恵を受ける側」へ
一方で、会計処理が効率化できたことで削減できた人件費や、現金管理のセキュリティーにかかっていたコストなどが軽減され、商品やサービスの価格を維持できる可能性もあります。一般的には、現金を扱うことにもコストがかかるといわれています。ということは、みんながキャッシュレス派になることでコストが下がる側面もあるということです。
ちなみに、クレジットカードの3回以上の分割払いで発生する手数料や、リボ払いで加算される手数料も、ポイント還元の原資になっているといえます。つまり、もったいない使い方をしている人の支払った手数料が、上手に使った人が得るポイントにつながっているという構図があるわけです。逆にいうと全員が上手に使えるようになると、ポイント還元のお得の度合いは少なくなっていく可能性があります。
個人が支払う分割払いやリボ払いの手数料としては、支払いペースをならす効果や、支払いを遅らせるというサービスを受けているため、その対価として支払っているという位置付けになります。
海外でキャッシングを利用して帰国後にすぐ返済する場合、現金で外貨を両替することなどに比べて手数料が抑えられるケースもあり、こうした使い方であれば、個人が手数料を支払う意義もあるかもしれません。
いずれにしても手数料を支払う側になる時には、その金額と引き換えに得られる恩恵を把握して、納得できるものなのかを考えたいところです。個人消費者の基本方針としては、手数料を支払う側になるより、ポイントなどの恩恵を受ける、「相対的に得をしている側」を目指したいですね。



