人生を豊かにする時間を持つ

映画や演劇は、日常から少し離れて心を解き放ち、感動や喜び、爽快感を得られる貴重なエンターテインメントです。趣味として楽しめるだけでなく、休日の過ごし方としてもリラックス効果が高く、心身を整える時間になります。

しかし、ただ「テレビで放送していたから」「動画配信で無料だから」と受け身の姿勢で楽しむだけでは、せっかくの映画・演劇体験がややもったいない時間になってしまいます。

目的意識を持たずに眺めているだけでは、作品から得られる刺激や学び、気分の切り替えも限定的になってしまうからです。

では、「映画館に行けばよい」「劇場に足を運べばよい」のかというと、それだけでは十分とはいえません。「話題になっているから」「賞を受賞したから」など、世の中の流れに合わせて作品を選んでいるだけでは、依然として受け身の鑑賞姿勢のままだからです。

もちろん、自分で作品を選び、劇場で鑑賞する行動自体は価値がありますが、「なぜその作品を観るのか」という意識が曖昧なままだと、体験は深まりません。

目的を持って“本物”に触れる

映画や舞台を、より豊かな時間に変えるために重要なのは、鑑賞そのものに「目的意識」を持つことです。

「この作品からビジネスのヒントを得たい」「人生について考えるきっかけにしたい」「最高のリラックスを味わいたい」など、何を得たいのかを明確にして鑑賞に臨むことで、同じ作品でも受け取り方がまったく変わります。

作品を通して得たい学びや刺激を意図的に選び取ろうとする姿勢が、鑑賞体験をより深いものにしてくれます。

もう一つ大切なのが、「本物を見る」という視点です。

市民楽団の演奏会や地域の小さな劇場での舞台が悪いというわけではありません。

観客の背面図
写真=iStock.com/aerogondo
※写真はイメージです

ただ、ブロードウェイのミュージカルや、ウィーンやパリの歴史ある劇場で演じられる演劇・オペラのように、厳しい審美眼にさらされ、徹底的に鍛えられた表現が集まる場所では、演者はもちろん、裏方、音楽、照明、舞台装置までが圧倒的な完成度で作り込まれています。

そこには、観る者の価値観を揺さぶり、人生観すら変える力があります。