なぜ下心はコミュニティを破壊させるのか

性的欲求には、他者とのコミュニケーションに向けて人を突き動かす原動力になる一方で、他者との関係性を破壊する力も有している。性的欲求を隠そうとしない人、下心満載でコミュニティに入ってくる人、セクハラじみた言動をする人は、警戒・敬遠されて当然である。

暗い部屋に座って悲しむ男性
写真=iStock.com/kieferpix
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性的欲求は、あくまで新しいコミュニティに参加するため、他人との関係性を築くための「事前」の原動力として活用すべきであり、コミュニティに参加した後、他人との関係性をある程度築いた「事後」は抑制すべきだろう。ロケットを宇宙に打ち上げるためには多くの燃料が必要になるが、いったん大気圏の外に出て軌道に乗ってしまえば、燃料は不要になる。

取材したある中年男性は、特殊な風俗店を利用することによって「若い頃にやりたくても実現できなかった性的願望」を成仏させようと試みた。その試みは不完全燃焼で終わったが、GA(※)の教えに従って、性的欲求をやり過ごす術を身につけることはできた。

※GA……Gamblers Anonymousの略で、ギャンブル依存を抱える人々のための自助グループ

「性欲は成仏しない」という前提でいること

年齢にかかわらず、自らの性的欲求を完全にコントロールすることは難しいし、完全に成仏させることも難しい。「自分の意思では完全にコントロールしきれないもの」と捉えたうえで、関係性や場面に合わせてその発露を柔軟に管理していくことが求められるだろう。

坂爪真吾『モテない中年』(PHP新書)
坂爪真吾『モテない中年』(PHP新書)

メディアの報道では、連日のようにセクハラや不倫などのコンプラ違反で失脚する政治家や有名人の様子が取り上げられている。どんな人であっても、社会的地位や責任の重さにかかわらず、環境や置かれた立場、その時の精神状態によっては、簡単に一線を越えた言動をしてしまう。そして一発退場になってしまい、それまで積み重ねたキャリアや社会的信用を失ってしまう。

人間は環境とインセンティブの奴隷である、と思った方がいい。

「自分だけは大丈夫」だと過信することは、端的にリスクである。「性的欲求を完全にコントロールできる男性はいない」「どんな人であっても、セクハラの加害者になってしまう可能性がある」ということを念頭に置いたうえで、性的欲求をコントロールできなくなるような環境に最初から近づかない、セクハラが誘発されるような環境を作らない・作らせない、といった防衛策が必要になるだろう。

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