「正義の暴走」が起きないガバナンス体制を

権力を握ってしまうと、その権力を不当に行使する誘惑も同時に生まれてしまう。市民の安全よりも、組織内での評価が優先されてしまうと、今回のような行為が起こる。

今回、巡査部長が指示した取り締まりは不当なものだったが、警察組織の閉鎖的なヒエラルキー構造の中では、部下がそれを指摘することは困難であった。そのため、違和感に気付いていた部下も長きにわたって巡査部長に従って不正行為を続けることになってしまったのだ。

バイクにまたがる警視庁の白バイ隊員
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです

一方で、組織が構成員の不正をチェックできない、監督体制の不備という構造的問題も加わり、問題の発覚と対処が遅れてしまった。

これまでは閉鎖型の組織では構成員の行動を監視すること、統制することは困難ではなかったはずだが、最近は状況が変わっているようだ。個人に対する監視や介入が問題視されるようになる中で、組織が構成員の行動を把握することが難しくなっているのだ。

上記で述べたような組織の構造的な問題は、多くの組織で見られることであるし、「正義の暴走」が加わると、神奈川県警が起こしたような問題は、今後、別の組織でも起きるのではないかと思う。

そのような時代であるからこそ、法律やルールを守ることの重要性を再認識すべきであるし、それが実現できるような組織構造を構築することが求められている。

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