静かにできない子供は老舗には連れて行かない

日本ではコロナ前からインバウンドの旅行者、つまり海外からやって来る訪問者が激増した。

私が2024年日本に滞在していた際に都内に行くと街中も交通機関も外国人だらけ。私が日本で学生だった20年以上前とは激変した様子に大変驚かされた。

仕事の打ち合わせで銀座に行った際は歩き疲れたので、ある老舗菓子店のやっている喫茶店に入ったところ、私以外のお客は全員外国人であり、その大半は中国や東南アジアからの人々であった。

彼らは銀座の老舗であっても半ズボンやパジャマのようなスウェット上下で来店しており、学生時代から30年近く海外と日本を行き来している自分でも若干驚かされたのである。

彼らは1人前が2500円以上するケーキセットや食事をいくつも頼んで食べ物は残している。子供はおもちゃをその場で開けて大騒ぎして走り回っている。

来店していた日本人はもう来なくなってしまったのだろう。外国人客はここが歴史のある老舗であることは知らない。

日本人なら、静かにできない子供は老舗には連れて行かないし、私の実家がある街のヤンキーでも銀座の老舗に行く際には空気を読んでそれなりの格好をするので、これは世代の違いではなく文化の違いである。

ケーキとテーブルの上の飲み物
写真=iStock.com/okan akdeniz
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チケット1人12万円のテイラー・スウィフト

そして先日、日本ではテイラー・スウィフトというアメリカのポップ歌手のコンサートが行われた。この人は現代版のマドンナのような歌手なのだが、真っ赤な口紅に金髪の髪の毛、180センチを超える長身で、アメリカの田舎訛りまる出しの英語を話し、アメフトの選手と付き合っている。

絵に描いたようなアメリカの田舎娘だ。歌の内容はカントリー調で、学校でいじめられたとか家族を大事にしようという非常に単純なものである。

この歌手のコンサートは日本公演でもアリーナ席が1人12万円もする。他の国ではもっと高いが売り切れ続出だ。

しかし経済的に厳しい人が多い日本ではそんな高いチケットを買える人は多くはない。日本のコンサートツアーに来場していたのは裕福な中国やフィリピン、東南アジアの人々が少なくなかった。

外国人アーティストはそれらの国では政治的なリスクが高すぎるためにコンサートができないので日本で行って近隣国からの顧客を期待するというビジネスモデルになっている。

しかし日本と異なりポップやロックの歴史が短く外国人アーティストがなかなか来ることもなかった国の人々にとってはこういったコンサートは非常に新しい催しで、コンサートの楽しみ方を知らない人がかなり多い。

今回のコンサートでも座席を勝手に移動したり、人の席に立ってしまう、他の観客の邪魔をして撮影をするとか、コンサートの場なのにプロポーズを始めて撮影すると言ったマナー違反が目立ち、動画を撮影してはインスタグラムやXに投稿。しかも座席に置いた荷物を盗まれたという報告もかなりあったのである。

これには日本の観客もネット民も激怒したが、外国人客はそんなことはお構いなしだ。主役は自分で、動画を投稿して他人から承認されるのが重要である。