「最強硬派」の引退が意味すること
ロシアのSNSで発信する情報チャンネル「インサイダー・ブラック」(1月21日)は、クレムリン関係者の話として、最強硬派のニコライ・パトルシェフ大統領補佐官(造船担当、74)が7月末、75歳の誕生日に際して引退する意向だと報じた。
パトルシェフ氏はKGBのレニングラード支部でプーチン氏の1年先輩。長年、安保会議書記を務め、外交安保戦略を統括した。反米、反ウクライナ志向が強く、プーチン氏よりも強硬なタカ派とされる。実質的なナンバー2といわれたが、2024年に安保会議書記から転出した後、影響力をやや失ったようだ。
政権内最強硬派のパトルシェフ氏が退任すれば、停戦プロセスが容易になりそうだ。「プーチン政権は米国と何らかの合意を試みており、タカ派の人物が指揮を執ることは不適切だ」と同チャンネルは背景を伝えた。
長男のドミトリー・パトルシェフ副首相はプーチン氏の後継候補の一人。「長男の後継就任を切望する父は、権力機関の利益相反を避けるため勇退する」との憶測もある。
プーチンの旅行仲間に浮上した汚職疑惑
毎年夏休みをプーチン氏とシベリアで過ごしたセルゲイ・ショイグ安保会議書記(70)も影響力低下説や退陣説が流れている。2024年に12年間務めた国防相を辞め、安保会議書記に転出したが、その前後から系列の国防次官や軍高官20人以上が汚職・腐敗容疑で次々に逮捕された。
独立系チャンネル「シピオン(スパイ)」(2月4日)は、ショイグ氏は国内外に多数の高級不動産を保有するほか、貴重な骨とう品や宝石のコレクションを持ち、資産は推定10億ドル(約1500億円)に上ると伝えた。
シベリア南部の少数民族、トゥバ族出身のショイグ氏は個人の私兵部隊を持ち、ファミリービジネスも手掛ける。軍高官の一連の裁判では同氏の汚職疑惑が浮上しており、捜査の手が伸びる可能性もある。
ただ、国防省汚職のキーマンといわれたサドベンコ元国防次官が昨年末、謎の死を遂げた後、捜査は行き詰まり、ショイグ氏は逃げ切れるとの見方も出ている。

