また読書が好きな子なら、新書やブルーバックスのような科学読み物もおすすめです。最近では新書にも平易な文章で書かれたものが増えており、小学生でも理解しやすくなっています。
新聞や新書類がまだまだ難しい小学校低学年の子であれば、書き言葉に慣れることから始めるとよいでしょう。物語、図鑑、歴史漫画など、ジャンルは何でもいいので、まずは文字に触れる機会を増やすことが大事と考えてください。
一般に小学校の国語教育は物語の解釈や心情読解が中心で、医学部受験に必要な論理読解にはさほどウエートが置かれていません。したがって医学部を目指すなら、たとえ国語の成績が良かったとしても、あとで家庭でフォローする必要があると私は考えています。
例えば、子供が本を手に取りやすい環境が家庭の中にある、あるいは新聞の社説や記事を子供が読んでいたら「内容を要約してごらん」と親が促してみる。そして要約した内容が、文章のエッセンスをきちんとつかんでいるか確認する。
そんなふうに親が手伝って文章理解のきっかけをつくってやることが、子供の読解力を伸ばすのです。
次回(10月21日更新予定)は「表現力」について解説します。
和田秀樹
精神科医。東京大学医学部卒業。診療を続ける一方、著書『受験は要領』がベストセラーとなって以来、受験指導の権威としても知られる“受験の神様”。
精神科医。東京大学医学部卒業。診療を続ける一方、著書『受験は要領』がベストセラーとなって以来、受験指導の権威としても知られる“受験の神様”。
(石田純子=構成)