旅に出るとヤドカリのように人の別荘を渡り歩き…

 田中さんは富裕層のマインドセットとして、ノブレス・オブリージュについても書かれています。これは日本人には馴染みの薄い概念です。僕は海外に住んでいたのは高校時代のホームステイくらいで、あとは全部出張だったので、海外のカルチャーは独学で学んできた経緯があるのですが、あらためてこの言葉の背景を解説してもらえますか。

田中 僕自身、海外の留学経験がない「純ジャパ」ですから、海外のカルチャーに合わせていくのに時間がかかったくちですが、ノブレス・オブリージュは「持つ者は社会的な責任を伴う」という考え方です。

大きなお金を手にした人でも、努力してなにかを成した人でも、やっぱりそれを得られたのは誰かのおかげだし、社会のおかげだし、地球のおかげでもある。例えば会場のみなさんの多くは日本国籍をもっていて、東京圏内に自由にアクセスできて体を自由に使えるという恵まれた条件があります。そういう自分が受け取ってきたものを、一部は社会に返していく義務があると捉える概念です。