現代社会の糖質はもはや飽和状態
こうした状況になっても、私たちのDNAは基本的に遠い祖先の時代のまま。狩猟や採集で暮らしていた頃のように、ほんの少しの糖質とケトン体で生きるようにできています。
そして、自分が置かれた環境には糖質が少ないことを前提に、私たちの脳は「もっと糖質を摂って」と指令を出しているのです。
しかし、糖質で溢れている現代社会において、その脳の指令は的外れなものとなっています。現代社会に生きる私たちは、的外れな指令を出し続ける脳を、上手になだめていかないとなりません。
ところが、糖を渇望する自分の脳をなだめるのは、多くの人にとって簡単なことではないのです。
「また食べたい」と思わせる悪魔の仕掛け
産業革命以降、砂糖や小麦粉など食材の大量生産が可能になり、加工技術も進歩しました。それにともなって「工場でつくった食品を売る」というビジネスが拡大していきます。
こうした食品業界も、ほかの業界と同じく利益を上げなければなりません。そのためには、「美味しいからまた食べたい」と、消費者が繰り返し購入してくれる商品をつくる必要があります。
このときの「美味しい」は、舌に感じてもらうよりも脳に感じてもらったほうが確実です。というのも、脳が「また食べたい」と指令を出せば、たいていの人は従ってしまうからです。
そこで大活躍するのが糖なのです。
前述したように、血糖値が上がり至福点に達すると、人は一時的に良い気分になります。ただ、そこに長く留まることはできず、上がった血糖値はやがて下がります。
しかしながら、脳は至福点の「気持ちいい」を覚えてしまっており、「また食べたい」と指令を出すわけです。
こうした人間の脳のクセを理解している食品業界は、至福点を意識した商品をいろいろつくっています。

