日本人男性も狙われている

藤川大樹『ルポ特殊詐欺無法地帯』(文春新書)
藤川大樹『ルポ特殊詐欺無法地帯』(文春新書)

実際にターゲットをだますのは中国人チームの役割だったという。女性は「中国人チームは、私たちが得た情報を基に、『独身でこの職業なら(偽の)仮想通貨への投資を持ちかけよう』などと分析していました」と証言する。主な手口は親交を深めたターゲットに偽の仮想通貨投資を持ちかけるやり方で、中国人エンジニアが作った偽のプラットフォームに誘導していた。

「中国人は主に同じ中国人と日本人を、私たちのように東南アジアから来た人は、英語圏の人や自国民を標的にしていました。日本語ができるミャンマー人がオンラインで日本人被害者とみられる男性と会話したり、中国人が翻訳ソフトで中国語を日本語に変換してメッセージを送ったりする様子も見ました」

スマートフォンを操作するシニアビジネスマン
写真=iStock.com/AscentXmedia
※写真はイメージです

給料は人民元で支払われ、女性は月三千五百元(約七万円)を受け取っていた。週に一度の外出許可時にミャンマーのチャットに換金して実家に送金したり、外で食事をしたりした。

実際に詐欺を行う中国人たちの給料は、倍以上の七千元(約十四万円)から一万元(約二十万円)だった。詐欺が成功すると、騙し取った金額の一定割合がコミッションとして支払われた。「一従業員」だった中国人が一夜にして大金を手にし、自ら別の詐欺グループを立ち上げることもあったという。

【関連記事】
「性犯罪者は全員死刑でいい」そう言って母は息子の性器に手を伸ばした…表に出ない「息子を襲う母」のリアル
ベンツの修理代を親が全額負担するハメに…Z世代で流行中の「電動自転車、キックボードより危険な乗り物」
「お母さん、ヒグマが私を食べている!」と電話で実況…人を襲わない熊が19歳女性をむさぼり食った恐ろしい理由
異民族に3000人の皇族が連れ去られ、収容所送りに…「戦利品」になった女性皇族たちがたどった悲惨な結末
なぜ伝説の動物写真家はヒグマに命を奪われたのか…星野道夫さんの悲劇を呼んだ「餌付けされたクマ」の怖ろしさ