「きもちことばマップ」による練習
大阪市立南市岡小学校では、「きもちことばマップ」を活用した授業を通じて、子どもたちが自分の感情を言葉で表現する力を育んでいます。この取り組みの結果、校内暴力が大幅に減少し、子どもたちが自らの感情を理解し、他者と共感する力が向上したと報告されています。
番組では、家庭での感情リテラシー教育の重要性も強調されました。子どもがトラブルを抱えて帰宅した際、親が感情に寄り添い、「どんな気持ちだったの?」と問いかけることで、子どもが自分の感情を理解し、表現する力を育むことができるとされています。
また、親自身が感情と向き合う姿勢を見せることが、子どもにとっての手本となると述べられています。
このように、感情リテラシーの欠如が、若者の犯罪リスクを高める要因となっていることが示唆され、教育現場や家庭での感情リテラシー教育の重要性が再認識されています。
ソーシャル・エモーショナル・ラーニングとは
「社会情動的スキル」、およびそれを育成する教育的枠組みである「ソーシャル・エモーショナル・ラーニング(SEL)」は、学術的には、心理学・教育学・神経科学など多領域にまたがる流れの中で注目され、発展してきました。
2022年に全面改訂された「生徒指導提要」(日本の学校教育における生徒指導の基本的な考え方と実践指針をまとめた文部科学省の公式文書)にも、この言葉が新しく書き加えられています。
SELとは、子どもや大人が、感情を理解し管理する力、人間関係を築き維持する力、責任ある意思決定をする力を発達させるための、教育的プロセスのことです。単なるプログラムの名前ではありません。
現代の教育や社会の現場でこの考え方が重視されるようになった背景には、心理学、神経科学、経済学といった学術的な分野での積み重ねがあります。
感情はこれまで「抑えるべきもの」として扱われてきた一面もありますが、これまでさまざまな検証が行われた結果、今ではむしろ、「自分を知り、他者とつながり、よりよく生きるために必要な力」として、教育の中心に据えられようとしているのです。

