政府も企業も対中依存を減らしていった
この事件によって、日本政府や日本の産業界は、中国とは外交上の問題が経済リスクになることを実感して、対中依存の修正に入らざるをえなくなり、「中国プラスワン」政策により中国依存を徐々に減らすことになった。
実際、日本における対中輸出入の比率は、2010年には2割前後に達していたが、その後は伸び悩み、ASEANやインドへの投資が急増している。
さらに2023〜2025年の「超円安」を追い風に、国内製造業の回帰が進み、台湾TSMCの熊本工場の稼働や、半導体・電池素材の国内投資が急増した。
結果として、日本企業のサプライチェーンは明確に多角化し、中国依存度は構造的に低下している。
東西統一以来、35年ぶりの不況に突入
それに対して、ドイツは中国の経済成長を取り込むことに成功し、また、2015年の移民受け入れ宣言によって、労働者不足を一気に解消した。
日本がデフレ経済にあえぎ、EU経済が停滞する中でも、ドイツ経済はEU内でも突出した好調を保った。
だが、ドイツはいくつもの失策を重ねたのち、ロシアのウクライナ侵攻以降にエネルギー政策が崩壊して、東西統一以来の不況に突入した。
2023年の実質GDPは前年比で0.3%減少し、インフレ率(年平均)も約5.9%と高止まりするなど、製造業の競争力低下が顕著だ。
そして2024〜2025年にはさらに景気後退が続き、2025年のドイツGDPは横ばい〜微減、製造業PMIは2024年以降ずっと50割れの状態が続いている。
かたや、日本はコロナ後の超円安を背景に製造業が徐々に息を吹き返しており、産業の立て直しが実を結びつつある。
