「中国と喧嘩できる国」と「できない国」

たしかに日中関係はかなり悪化しているが、これは日本が中国と「喧嘩できる余裕」を得たことを意味している。

日中首脳会談を前に、中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市早苗首相=2025年10月31日、韓国・慶州[代表撮影]
写真=時事通信フォト
日中首脳会談を前に、中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市早苗首相=2025年10月31日、韓国・慶州[代表撮影]

現在のドイツではこのような「喧嘩」は経済状況を鑑みても困難だろう。

ただし、日本はデフレ脱却のため長期にわたって金融緩和を維持していることで、超円安やコストプッシュによるインフレ上昇に見舞われている。

超円安はGDPの日独逆転のきっかけとなった。また、長期金利も上昇しており、今後、財政拡張が困難になる可能性も懸念される。

中国との距離の取り方を間違えてはいけない

日独を大きく分けたもう一つの政策の違いとして、労働不足への対応がある。

ドイツは2015年の移民受け入れ宣言で年100万人を超える移民を受け入れて、労働者不足を一気に解消した。

それに対して、安倍政権は国際世論による移民受け入れの重圧をはねのけ、「女性活躍」など国内労働力の活性化によって対応し、積極的な「移民」の受け入れには踏み切らなかった。

これは日独の経済成長率に差を生み、現在のGDPで日本がドイツに抜かれた遠因になっている。

ただ、移民の混乱によってドイツが政治的に翻弄されているのに対して、日本は多少の混乱がありながらも政治的には比較的安定した運営を保っている。

現在のドイツは、日本がすでに通過したジレンマを“数年遅れで追体験している”段階にある。

この日独の対照は、製造業大国が中国と向き合う際、「距離の取り方」を誤ればどれほど大きな代償を払うことになるかを、あらためて浮き彫りにしている。

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