幸せな人生を歩むために、「やってはいけないこと」は何か。ベストセラー作家で実業家のロルフ・ドベリさんは「困難があった『からこそ』成功した人たちの事例は数えきれないほどある。困難がない『守られた生活』を送っていると、世の中が、突然、根底から覆されてしまったときに、どのように生き抜くかを学ぶことができない」という――。(第1回/全3回)
※本稿は、ロルフ・ドベリ『Not To Do List 失敗を避けて、よりよい人生にするためのやってはいけないことリスト』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
2023年、台湾でスピーチをするNVIDIA創業者でCEOのジェンスン・ファンさん(写真=総統府/CC-BY-2.0/Wikimedia Commons)
やってはいけないこと:困難を避ける
不幸や苦しみを感じやすくなりたい人へのお勧めは、「できるだけ守られた環境で、人生を歩むこと」。
ストレスの要因となりそうなことは、小さなうちに早めに摘み取り、失敗する可能性のあることはできるかぎり回避しよう。
代わりに、快適な環境に浸っていよう。できるだけ長く温室のなかで育つこと。
そうすれば、外の世界に出たときに、あなたは間違いなく、最初に受ける強風でポッキリ折れることだろう。
真のアドバイス:自分に「負荷」を与える
ジェンスン・フアンは近年もっとも成功した起業家だ。アメリカの半導体チップ製造会社NVIDIA(エヌビディア)の創業者でありCEOでもある彼は、アメリカンドリームの化身、いや、その強化版のような人物だ。
フアンは台湾の移民から億万長者へと駆け上がった。
2024年3月、スタンフォード大学の学生に向けた講演で、彼は奇妙な発言をした。
「わたしの強みのひとつは、『人生の期待値が非常に低い』ということです。
期待値の高い人は、打たれ弱く、耐性が非常に低い。そして、残念ながらその耐性が成功には重要なのです。
このことをみなさんにどのようにお伝えしたらいいのかわかりませんが、ほかには思いつきません。みなさんが苦労するよう願います!
偉大さは『知性』から生まれるものではありません。偉大さは『人格』から生まれます。そして人格は『苦悩』によって培われるのです。
スタンフォード大学の学生のみなさんに、わたしが願えることがあるとすれば、『大きな痛みと苦しみ』を経験することです」
期待値の高い人は、打たれ弱く、耐性が非常に低い。そして、残念ながらその耐性が成功には重要なのです。
このことをみなさんにどのようにお伝えしたらいいのかわかりませんが、ほかには思いつきません。みなさんが苦労するよう願います!
偉大さは『知性』から生まれるものではありません。偉大さは『人格』から生まれます。そして人格は『苦悩』によって培われるのです。
スタンフォード大学の学生のみなさんに、わたしが願えることがあるとすれば、『大きな痛みと苦しみ』を経験することです」
会場にざわめきが起こった。
「大きな痛みと苦しみ」だって? 世界でもっとも輝かしい大学のひとつ、スタンフォードに入学した人が、そんなものを期待するはずがない。


