「すっと眠りに落ちる」禅僧のルーティーン

私自身は不眠に苦しんだり、睡眠不足を感じたりすることは、ほとんどありません。一日の疲れはだいたい、その日の夜の睡眠で解消できています。

実際、オムロンという会社に頼まれて、一週間の睡眠調査を受けたところ、「熟睡度99.8%」という驚異的な数値が出ました。私の睡眠の質の高さは、数字が実証してくれたわけです。

それに自信を得て……というわけではありませんが、参考までに「深い眠りを促す夜の過ごし方」をご紹介しましょう。

私の場合、朝4時半ごろに起きて、仕事はだいたい夜の6時ごろに一段落させます。そしてそれから2時間くらいを、夕飯や入浴に費やします。

その後また、1時間半ほど、翌日の準備を兼ねて仕事をします。

そうして一日のすべての活動を終えるのは、夜の9時半ごろ。PCの電源を落とし、スマホも手放し、お仏壇にお参りし、軽く夜坐(夜に行なう坐禅)をしてから布団に入ります。その瞬間、ストンと眠りに落ちている感じです。

一言でいうと、

「日中はよく動き、夜9時半以降は難しいことは何も考えずに静かにくつろぎ、さらに夜坐により頭を完全に休める」

のが、私のルーティーン。おかげで、心の平穏が乱されることもなく、毎日、深い睡眠が得られています。

とはいえ、いかに寝つきのいい私でも、「疲れを取り切れない」ことはあります。

そういうときは、「昨日より今日」「今日より明日」「明日より明後日」といった具合に、数日間、30分ずつ睡眠を長く取るようにしています。

なんといっても、一番の“疲労回復薬”は睡眠です。

ですから、疲労の程度に合わせて睡眠時間を調整するのも、効果的な休息法の一つといえるでしょう。

休日の“惰眠”を防ぐコツ

休みの前日の夜は、ことのほか心が浮き立ちます。

朝寝坊できることの解放感から、夜遊び、夜更かし、深酒をしたくなるでしょう。

けれども「禅的養生訓」の観点からは、とてもおすすめできません。生活のリズムが崩れ、心身に悪影響をおよぼす可能性が高いからです。

朝と同じく、夜寝る前の過ごし方も“ルーティーン化”し、なるべく規則正しいリズムで床につくことが大切です。

仏教流にいうと、「たがをはめる」――。

こうした「ルール」を設けず自由に生活をしていると、私たち人間は、どうしても自堕落になってしまうもの。

自宅でリラックスして過ごす若い女性
写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです

そうならないように、「毎日、規則正しく生活しましょう」とするのが、禅的な生活習慣なのです。

そうはいっても、箍を締めすぎて、かえって疲れてしまうようではいけません。

あくまで「無理せず、毎日続けられるかどうか」という観点から、自分なりの「規則」をつくるといいでしょう。

たとえば、休日の“朝寝坊”に関していえば、

「いつもよりプラス一時間までなら、遅く起きてもよし」

としてみる。これくらいなら、生活リズムを大きく崩すことなく、休日の“特別感”を味わうことができます。

もちろん、「やっぱり、あと30分、いやもう一時間……」などと、際限なく時間を延ばせば“惰眠”につながります。

ですから、ルールを決めた以上は、しっかりと守ること。これが鉄則です。