――アドバイスをするとき、心掛けていることはありますか?

「やはり選手を成長させるためには、コトバで説明するか、実際にやってみせて指導するしかない。当然、コトバで説明しながら、やってもらうのですが、選手たちができることを説明しないといけないでしょう。できるレベルじゃないと、選手たちがこわがってしまう。だからこそ、選手たちの力をよく把握する必要があるのです。どういったことができるかどうか、それを把握することが大事だと思っています」

――選手のどんな情報を集めるのでしょうか? 家族構成とかも?

「ノー、ノー。まず選手たちと話すときは、相手がどういった性格をしているのか。技術面、体力面、戦術面、精神面がどうで、どういったパフォーマンスを出せるのか。そこを分析して、できることを指導するようにしています。できないレベルのことを指導してしまうと、当事者だけでなく、周りの人間にも悪影響を及ぼしてしまいます。だから、それは避けるようにしています。また多く話をしたほうがいい人間がいれば、最低限の情報を与えればいい人間もいると思います」

――要はケース・バイ・ケースですか。選手によって指導の質量を変えるということでしょうか?

「自分は、選手に合わせるような指導法をしてきました。時間が限られているので、やはり選手たちの特徴や性格を把握したうえで、話をしたほうがいい。選手たちに合わせて、能力を引き出してあげるのがいいと思っています」