一方、今後力を入れると断言する「リフォーム事業」は、商品力の強化に加えて、販路をいかに拡大するかが重要だ。

具体的には、リフォーム専門店の「リファインショップ」を現在の274店から、15年度には500店に拡大する。工務店や燃料店、設備店などで構成される「わが家見なおし隊」を現在の1770店から15年度には2500店へと拡大。現在、948店の家電店で構成される「ネットワーク&エコハウス」も活用することで、パナソニックグループ一丸となって、リフォーム事業に取り組む。

ES社マーケティング本部住建営業統括部長の太田勉専務は、こういう。

「リフォーム需要は今後も拡大し続ける。住建営業本部で取り扱っている水回り、建材商品のリフォーム売上高比率は、現在31%。これを15年度には50%にまで引き上げたい」

さらに6月から「20歳のリフォーム」キャンペーンをスタートさせた。築20年を経過した住宅が水回りを含めた住まい全体を見直す時期に入る。太田専務は、「リフォームすることで、快適性、省エネ性などの観点から、住居内のマイナスをプラスにする提案をしていきたい」と、意気込む。

住宅事業拡大の一翼担うパナホーム

パナホームは、4階以上の新築物件ではトップを争う実績がある。ポテンシャルの高い首都圏市場に対して、全国から実績のある営業担当者を集めて攻勢をかける。

住宅関連事業でもう1つの柱を担うのが、住宅メーカーの「パナホーム」だ。

ES社が、工務店ルートなどで住宅関連事業を展開するのに対して、パナホームは、直販型で住宅関連事業を拡大しているのが特徴だ。パナホームの12年度の売上高は2894億円で、18年度には5000億円に引き上げる。

主軸となる新築請負事業は、2152億円から2500億円へと16%増の成長を見込む一方、スマートシティなどの街づくり事業は約2.8倍の1000億円、不動産流通やマンション管理といったストック事業では約2.6倍の1000億円、マレーシアや台湾を中心とした海外事業は、100倍となる500億円へと拡大させる。