つまらないのは職場のせい!?
「仕事の7割はつまらなくても、面白くできる」(http://president.jp/articles/-/10088)という記事を書いたところ、あるビジネスマンの方から「仕事なんてもともと面白いものではないですよ」というお声をいただきました。
仕事柄、ビジネスマンの方々に話を聞く機会が多いのですが、「仕事が楽しくないんです」とおっしゃる方も少なくありません。やりがいが感じられない、この仕事に向いてない、職場に活気がないなど、様々な理由で仕事を楽しめないと言ってきます。
「もともと面白いものではない」という考え方もあります。もちろん、楽して稼げるという意味で、楽しい仕事はないと思います。しかし、人生の幸福感や希望感を構成する要素のうち、「仕事の楽しさ」が占める割合は、かなり大きいという先行研究もあります。
よく生きるために、働きがいはとても大切なことです。実際、大学卒業後、60歳定年まで働き続けた場合、1人の人が仕事に費やす時間はおよそ7万時間にもなります。どう仕事をしていくのかは、どう生きるかという人生に関わる大問題なのです。
さらに言えば、急速に進むグローバル時代を生き残るためにも、仕事を楽しむことは欠かせません。今世界で、仕事は二極化しつつあります。昨年の米国経営学会の最高作品賞に輝いた『Good Jobs Bad Jobs』(Arne L. Kalleberg)。この本によると、仕事は、能力の伸びが期待でき、かつ給料や労働環境の向上が期待できるGood Jobと、能力はあまり必要とされず、加齢に従ってむしろ給料や労働環境や待遇が劣悪になるBad Jobに二極化しつつあります。この動きを止めることは困難でしょう。そしてGood Jobに従事するための条件の1つが、仕事を楽しめる心理的姿勢や、仕事を楽しもうとする習慣を持つことです。もちろん、生まれながらにしてBad Jobに従事せざるをえない境遇にいる方々には、社会保障の充実などの施策を国家レベルで保持していくことも忘れてはなりません。