円安は中小企業の社長がどうこうできる問題ではない

2018年8月に社長に就任して以来、業績は右肩上がりで伸びていきました。2年後には兼任していたSVをやめ、社長に専念するようになりました。会社の経営について、より大局的に考える必要があると思い、自分で専念することに決めました。

2020年初めから2023年半ばまで続いたコロナ禍でも業績は順調に伸びていきました。コロナ禍は未曽有の危機でしたが、語弊を恐れずに言えば、レベルの差はあれど、大変なことはいつの時代も常に起きています。感染症はコロナに限らず古くから私たちの健康を脅かし続けています。

しかし事態が収束すると、人々は知恵を絞って困難から立ち直り、落ち着いた日常を取り戻していきました。

社内で試食中の藤﨑社長
提供=ドムドムフードサービス
社内で試食中の藤﨑社長

近年では円安が加速し、「様々なコストが上がって大変でしょう」とよく聞かれます。確かに、肉類や魚介類、小麦粉などの輸入価格が上がって、採算を合わせるのに苦労しているのは事実です。

でも、仕方がないことだと思って受け入れるようにしています。

藤﨑忍『39歳、初就職。』(世界文化社)
藤﨑忍『39歳、初就職。』(世界文化社)

なぜなら、円安は中小企業の社長がどうこうできる問題ではないからです。財務大臣や日銀総裁なら必死に改善策を考えますが、どうしようもない立場でどうにかしようと考えるのは、時間がもったいない。

原材料費が上がったら、販売価格の値上げを検討しなければなりません。

その場合、何らかの付加価値をつけられないかと必死で考えます。そう考えるほうが建設的ですよね。いついかなるときも、「いま自分にできることは何か」を考えて行動するようになりました。

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