「エリート流出」説の真相

こうしたデータを見ると、地方の優秀層が大都市圏へ大量流出しているのではないか、という指摘がしばしば聞かれる。若者の地域間移動に関する論文では、大学進学時点で非大都市圏から大都市圏への移動が多いことが指摘されている。関東圏には大学入学者の4割が集中し、地方の上位合格者ほど進学先の選択肢が多く、学力面で上京に対するハードルが低くなるであろうことは想像に難くない。

しかし、東大や京大に占める北海道出身者は単年で増えている年度もあるが、増加傾向とまでは言えない。また、東北出身者の場合、東大・京大への進学者数は、むしろ減少傾向だ。これらのトレンドは最難関国公立大に限ったことではなく、トップ私大の二大双璧をなす早稲田大学でも、関東圏を除く大半の都道府県出身者は過去10年間で一貫して減っている。

そもそも多くの都道府県において、大学進学における県外進学者割合は近年低下しており、学力優秀層においても例外ではないようだ。このように、地方旧帝大における関東勢の台頭について、優秀層の大都市圏流出で説明するには無理があり、別の構造的要因が潜んでいる可能性が高い。