「記憶」の中でも「顔と名前の記憶」は難易度が高い

「初めて会った人の名前が覚えられない」という悩みをよく相談されます。最初にお伝えしておきたいのは、さまざまな記憶の中で「顔と名前の記憶」は非常に難しい部類に入るということです。したがって、練習をしていない状態では覚えられなくて当然で、それはあなたの記憶力が劣っているというわけではありません。

握手をするビジネスパーソン
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なぜ顔と名前を覚えるのが難しいのか。それは、顔と名前に関係がないからです。

人間は関連があるものや理由・背景があるものは覚えやすいと言われています。しかし、顔と名前には関連性がありません。「この顔に生まれたからこの名前になった」というのは原則あり得ませんね。だから、顔と名前を覚えるのは難しいのです。

それではどうやって覚えやすくするかというと、なるべく自分の心に残るような「トリガー」を作るということと、復習をするのがポイントです。

一般的に記憶の強さは「質×量」で決まります。覚えるときにどれだけ心に残るかという「質」と、覚えたものを何回復習したかという「量」の両輪が重要になります。

「復習の量」を増やして記憶に残す

復習は普段から意識している方も多いかもしれません。

名刺交換が終わった直後に脳内で名前を復唱するとよいでしょう。そして、名刺交換後に会議や会食が始まる場合は、名刺を見ながらでもよいので、意図的に名前を呼んで話しかけるようにしましょう。自分で名前を呼ぶことによって定着しやすくなり、相手の名前に触れる頻度も高くなります。

名刺交換が終わって別れた後、その日の夜のうちに名刺を見返して名前や話したことを思い出す癖もつけてください。アプリで管理して定期的に見直せる環境をつくるのもいいですね。これだけ復習をすれば強く記憶に残っていきます。