最近の子供の名前にはどのような傾向があるのか。命名研究家の牧野恭仁雄さんは「令和に入り、いわゆる『キラキラネーム』は減ってきている。一方、今年5月の改正戸籍法施行でキラキラネームが規制されるかのような報道が相次いだがそれは誤解だ」という――。
赤ちゃんが親の指を反射で握っている
写真=iStock.com/west
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法改正で「キラキラネーム」は…

今年(2025年)5月に改正戸籍法が施行され、私たちの氏名の「ふりがな」が戸籍に登録されることになりました。改正された戸籍法では、

① 氏名の振り仮名を戸籍に記載する
② 氏名の読み方は一般に認められているものでなければならない

ということが定められました。そのため、いわゆる「キラキラネーム」が規制されるかのような報道があふれ、そのように受け取った人も多かったようです。

じつはそれは誤解であり、この2つのことはまったく別の話なのです。それが戸籍法13条の中に一緒に書かれたので、深い関係があるように思われてしまったのだと推測されます。

おもしろいことにその誤解は良い結果も生んでいて、「やっぱり勝手な読み方の名前はいけないんだ。気をつけよう」という気運も生まれています。ベネッセコーポレーション「たまひよ」のアンケート調査によると、「名づけをするにあたって改正戸籍法を意識したか」という質問に対して、「はい」と回答した人は45.3%だったということです(調査対象数1704人)。

ただし、そのことが名づけの流れを変えた、という形跡も今のところありません。

名づけの傾向については毎年いろいろな企業や団体が人気順位を発表しており、内容に違いもありますが、ここで「たまひよ」が10月30日に発表した「赤ちゃんの名前ランキング2025」(調査対象数16万6011人)をみてみます。

2025年版「赤ちゃんの名前ランキング」
画像=プレスリリースより。※Webサイト「たまひよ」では上位100位までの名前を紹介しています。

この中には辞典にない強引な読み方の名前が4つあります。そのうち蒼空(そら)は前年より順位が下がっていますが、陽葵(ひまり)は順位が変わらず、湊斗(みなと)、心都(こと)は順位が上がっています。

そして同じ文字の名前でも実際はいくつもの違う読み方でつけられていますから、全体として正しい読み方の名前が増えているのかどうかは、このランキングからはわかりません。

はじめに述べたような誤解をさけるために、「名づけ」そのものの話と、「ふりがなの登録」の話を分けて解説していきます。