※本稿は、ベンジャミン・ハーディ『全力化』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
「人生を変えるチャンス」は毎朝訪れる
「朝のルーティン」を行う一番の目的は、朝に自分を至高状態に持っていくことだ。そうすれば、その日一日をその状態で進めることができる。
何かに依存して、受身で、無意識な状態で朝を過ごすより、儀式的な方法で積極的に自分を至高状態に持っていくほうがずっと良い。
朝の儀式、すなわちルーティンは絶対に必要だ。
なぜか?
それは、「“いつもの行動を取ってしまう自分”を超越した状態」をトリガーする必要があるからだ。
今とは違う人生を生きたいなら、今とは違う自分にならなくてはいけない。
朝の儀式は、至高状態をトリガーするためのものだ。その状態は、自分は何者になりたいのか、どんな行動を取りたいのかを思い出させてくれる。
そしてその日はそれ以降ずっと、その状態で、なりたい自分として行動できる。
人生の軌道を変える環境として最適なのは、次の2つだ。
・強力で儀式的な朝のルーティンを終えた「朝」
・いつも自分がいる環境とはまったく異なる、学び、成長、つながり、休息、リカバリーにもっとも合うように作られた環境
「目覚めた直後」でないと意味がない
今よりもっと高いレベルで生きようと決意するとき、それを実行するには自然とたくさんの抵抗がある。自分の周りの環境は、「今の生き方」に合わせて作ってきたからだ。
メンタルモデルも、今の人生に合っている。そうでなければ、あなたの人生は違うものになっていたはずだ。
そのため、違う生き方をしようと固く決意したなら、その決意に至った経験を再現し続ける必要がある。
その経験、そしてそれに伴う考え方が、これからのあなたの「新しい標準」になるように、だ。
ということで、自分を定期的に至高の状態に持っていくためのルーティンが必要となるわけだが、ルーティンを行う一番のタイミングは「目覚めた直後」にやってくる。
起きてすぐにしないと、至高状態で決断したときよりも低い「いつもの状態」にたちまち戻ってしまうためだ。
そうなると、一生懸命がんばったところで、やはり今の現実に合った行動を取り続けてしまう。古いパターンに戻り、今の現実をなかなか変えられないまま、夢は夢のままになってしまうだろう。
もしかしたら、しばらくの間は意志力でなんとかしようと思うかもしれない。しかしそれでは単に、「結局はいつものまま」という結果を迎えるだけになる。
そのようになった場合、正直にいえば、自分が決めた「決意」は本当は決意でも何でもなかった、と認めてしまったほうがいい。

