※本稿は、大愚元勝『仕事も人間関係もうまくいく離れる力』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
ハイテク企業の駆使するマーケティング戦略の中身
SNSに関連して、一つ、知っておいたほうがいいことをお話ししましょう。
私たちはふだん、何気なくスマホを便利に使っています。
けれどもそれは、知らないうちに先進のテクノロジーが作為的に受信・発信する情報に取り込まれている、ということでもあります。
このことをふまえて、欲望を操作されないように注意しなくてはいけません。
どうすればいいのでしょうか。
それを知るキーワードが「HALT(ハルト)」です。
人間というのは、
H=Hungry(空腹)
A=Angry(怒り)
L=Lonely(孤独)
T=Tired(疲れ)
という四つの状況にあるときに、もっとも「買い物をしたい!」という意欲がかき立てられるそうです。
ハイテク企業はこの消費者心理を、マーケティング戦略の一つとして利用しています。「HALT」の情動が生じる“そのとき”を狙って、その人が欲しがりそうな物やサービスの広告を、スマホにガンガン送りつけるのです。
何を欲しがるかは、サイトの閲覧履歴やネット通販の購入履歴、SNS上の発言などから分析されています。
ときどき「どうして自分の欲しいものがわかるんだろう」とふしぎに思うことがありませんか? AIはそのくらい正確に、個人のニーズをつかみ、正確に予測しているのです。
消費者の感情も同じです。消費者自身がSNSを通して「お腹が減ったな」「イヤなことがあって機嫌が悪いんだよね」「ひとりぼっちでさびしいな」「今日は疲れたよ」などと発信すると、それがリアルタイムでキャッチされるのです。
このように、自分ではそのつもりがなくても、自分で入力したことが、感情に至るまでも企業のビッグデータに取り込まれている……。
そうわかると、ちょっと怖いですよね。
だからこそ、ますます「SNSから離れる力」を持つことが大事なのです。でないと、スマホに自分の情報を入力するたびに、また画面を見るたびに、チャリン、チャリンとお金を失うことになります。

