また、夏場以降のAI関連株の上昇は、個人消費を押し上げたとみられる。AI関連株は、トランプ関税を巡る不透明感や、中国発のAIへの警戒など度々ショックに見舞われながらも、今年の夏前にはそれらの懸念を払拭ふっしょくし、急速な上昇トレンドに回帰した。

ニューヨーク証券取引所
写真=iStock.com/Pgiam
※写真はイメージです

米大手テクノロジー企業7社「マグニフィセントセブン」の米国株全体に占めるシェア(S&P500ベース)は35%まで拡大し、米国の株式市場を牽引けんいんしている(図表2)。当社試算では、米国の株価が10%上昇すると、米国消費者の購買意欲が改善し、個人消費が+0.4%pt(実質GDP成長率が+0.3%pt)が押し上げられる。米国民は株式保有率が高く、その中でも特に多くの金融資産を保有する高額所得者層が個人消費を支えていることが背景である。

【図表2】米国株価(2024年初=100)

AIは経済成長の原動力になるのか

まさに足元の米国経済を支えているAIだが、こうした動きが今後も続くかは、AI技術が米国経済にとって有用なものであるかにつきる。最も分かりやすい考え方として、AI技術が米国経済の生産性を押し上げていくかというものがある。生産性の向上は、より効率的に財(モノ)やサービスを生産できることを意味し、米国全体としてみたときの国民一人の賃金上昇や生活水準の向上につながる。