更年期のイライラや体調不良を改善するにはどうしたらいいのか。内科医の梶尚志さんは「体調がすぐれない、疲れやすい、気分が落ち込みやすいといった不調の背景には栄養不足が関係していることが多い。特にタンパク質は欠かせない栄養素だ。おすすめの定番食材があるので参考にしてほしい」という――。

※本稿は、梶尚志『更年期の不調の原因は栄養不足が9割』(あさ出版)の一部を抜粋・再編集したものです。

冷蔵庫のドアから卵を取り出す女性
写真=iStock.com/fcafotodigital
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不調の原因は「食べない」こと

更年期の食事について話していると、よく「どんな食材がいいですか」「何を食べればいいのでしょうか」といった質問をいただきます。

たしかに食材選びは大切ですが、その前に見直してほしいのは「ちゃんと食べているかどうか」。

体型が気になって食事を抜いたり、家事や仕事に追われて食事の時間がとれなかったりして、「朝は何も食べない」「昼はパンだけで済ませる」といった食生活の方も少なくありません。

結果として、1日に必要なカロリーをきちんと食べられていない人が多くなっています。

体調がすぐれない、疲れやすい、気分が落ち込みやすい……。こうした不調の背景には、栄養不足が関係しているケースがとても多いのです。

私たちの体は、食べたものを材料にしてホルモンをつくり、自律神経や内臓の働きを支え、体温を保っています。タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルなどが不足すれば、体のバランスがくずれて、さまざまな不調があらわれやすくなります。

「食べていない人ほど体調が悪くなりやすい」というのは、栄養療法に取り組む医師のあいだでは、よく知られた事実です。

更年期こそ「朝しっかり」が鉄則

更年期の不調を軽くするうえで、まず土台になるのが「食べること」。それも、1日3回、バランスよく食事をとることがとても大切です。

とくに注意したいのが、朝食です。「時間がない」「食欲がない」「活動には影響しない」など、さまざまな理由で朝食を抜いたり、軽く済ませてしまう方も少なくありません。けれども朝食は、その日の体と心の調子を左右する、大事なエネルギー源です。

更年期には、ホルモンバランスや自律神経の働きが不安定になりやすいため、朝のエネルギー補給ができていないと、さまざまな不調につながることがあります。たとえば、血糖値が不安定になり、イライラしやすくなったり、疲れが抜けなかったり、集中力が落ちたりといった変化が出やすくなります。

また、生活習慣病の予防という点からも、「朝をしっかり、昼はほどほど、夜は軽め」という“逆ピラミッド型”の食事スタイルが推奨されています。

【図表1】食事は“逆ピラミッド”を心がけて
出所=『更年期の不調の原因は栄養不足が9割』(あさ出版)

とくに更年期以降は、夜にたくさん食べると胃や腸に負担がかかり、翌朝も食欲が出ず、また朝を抜いてしまうといった悪循環に陥りやすくなります。

「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」も体の調子に大きく影響します。