朝の光が「体内時計」を整える

なぜ夜の光がよくないのか。目から浴びる光は、体内時計に最も強く影響を与える。明治大学農学部の中村孝博教授がこう説明する。

「脳の奥に、体内時計の司令塔(中枢時計)が存在しています。中枢時計は平均して24時間より長い周期を刻んでいるため、毎日時計の針を合わせるリセットが必要で、それは主に“光を受けること”によって行われています。時刻調節をした中枢時計は、さまざまな臓器に存在する時計遺伝子(末梢時計)へ時刻情報を伝えます。それによってそれぞれの器官のリズムはつくられるんです。ですから朝に光を浴びれば、体内時計がスムーズに時刻合わせでき、規則正しいリズムを刻めます。一方で夕方以降や眠っているときに強い光を浴びてしまうと、体内時計が昼と勘違いして誤作動を起こし、臓器の働きやホルモン分泌などに悪影響を及ぼしてしまいます」