年を経て、第二の人生に踏み出すとき、資格を得て新しい仕事を始めるのもいいだろう。資格試験に受かるためには、記憶力低下をどう克服すればいいのか。(内容・肩書は、2019年8月16日号掲載時のままです)

水野隆史さん(64歳)は、十和田市立中央病院で内科医として働く。一見してベテラン医師の風貌だが、金沢大学医学部の編入試験(4年制大学を卒業した学士ならば、3年次から編入する試験を受けられる)に合格したのは2009年のこと。当時、水野さんは54歳だった。その後15年3月に同年最高齢で国家試験に合格、同年4月から研修医となった「還暦過ぎの若手医師」だ。

もともとは農林水産省の官僚だった水野さん。激務をこなすかたわら、医師を志して勉強を始め、見事に難関を突破。目指していた「直接、目の前の人を救える仕事」に就いた。

(構成=伊藤達也 撮影=奥山洋一)